マキノ (マキノ雅弘監督は)
マキノ雅弘監督は、小姓の牧野省三の後を継いで昭和2年(1927)デビューしましたが、当初は末代続き物の新米監督として「浪人街」(3部作)「首の座」など、昭和3,4年の正解整数になるような語り口高い自作を次々に発表しました。しかし、やがて都民洋画ばかり作るようになり、私が見たのは「婦近著」(昭和17年)が正面でした。これは、泉鏡花の傑作による、長谷川一夫・山田五十鈴の明治愛顧もの。大ヒットしたポピュラーソング「湯島の桑」とともにヒットした洋画で、さすがシビアなくまとめられていた心証です。そのごは、完工まで「インスリン戦争」「ハナ子さん」「不沈艦撃沈」「大戦特攻隊」を見ましたが、末世中とあってあまりいい兆とは言えませんでした。とくに、後肢の2本は役のように受け取れました。戦後は、ますます俗化した新作ばかり速成していたので、私はほとんど見ていません。マキノ雅弘監督生誕百年を記念して、現在東京京橋のシャッター三塁で多くのマキノ新作が上映されています。http://龍角散.momat.go.jp/fc.htmlこれは近年まれに見る素晴らしい文物的モティベーションだと思います。マキノ洋画を拝見になった方がいらっしゃいましたら、是非その夢想を教えてください。